人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アロマセラピー、手作り石けん、EMのお話 *まず、カテゴリの「はじめに」を読んでください


by lalalapis

3年半

イギリスを離れてからこの間旅行者として戻るまでに3年半の歳月が過ぎていた。

私は、この3年半の間に変化が常にあった。
手術、長期的な入院、何度か変わった仕事、元彼との9年の関係への終止符、
今の会社に入ってからの楽しみながらも激務に自分の体を蝕まれる日々。

こんな激動の3年半だったので、私の感覚では1年しか離れていないように感じた。
ロンドンに到着して、自分のパスポートを見ていて唖然・・・。
私は3年半もイギリスを離れていたと、過去の出国記録を見て初めて気づいた。

今回も、以前に住んでいた家のフラットメイトのご厚意で、同じ部屋に泊めてもらうことになった。
ちょうどフラットメイトのご両親も3ヶ月間滞在していたので、滞在させてもらったのが申し訳なかったけれど、不慣れなこともなく安心した日々を過ごすことができた。

その家に着いた日、偶然にも最寄り駅のバス停で、会社帰りのそのフラットメイトと再会した。
元気そうでなによりだ。
そして、彼が以前に一緒に住んで付き合っていた彼女の話になった。
彼女と彼は私がイギリスを離れる数か月前に、喧嘩が絶えなくなり別れてしまい、
彼女は数ヶ月間ほかの家に住み、そして私が日本に帰国した数か月後にシンガポールで
仕事を見つけ、移住してしまった。
でも、そのフラットメイトの彼が1年ほど前にシンガポール、マレーシア、インドネシアに旅行に
行ったという便りがあったので、「これは、復縁の兆し?」と思っていたのが、的中であった。

それから色々と話した結果、彼女はイギリスに永遠に戻ってくることになり、
彼らは結婚することになったらしい。

そんなわけで、泊めていただいたお礼と結婚のお祝いと言って、新婚カップルの必需品である
某フランスメーカーの煮物に良い鍋セットを置いてきた。
あれ、すごく良い製品だけれど、いくつか買って持ち歩くには非常に危険な品ですね。
殆ど歩かなかったのに、途中まで彼に車で迎えに来てもらう羽目に・・・。
普段は絶対に頼らない私の頼みごとに直ぐにやってきてくれた彼でしたが、
その荷物を見て笑ってましたよ。
他の物はすぐにお店に頼んでデリバリーしてもらう私なのに、
プレゼントだからと運んだ私の選択は間違っていたようで、翌日肩が痛かった。
でも、その甲斐あって、私がロンドンを発った2日後にシンガポールから引っ越ししてきた彼女は
すごく喜んでくれたそうで、会っておめでとうと言えなかったけれど、彼らの幸せそうな笑顔が
鮮明に想像できる。

彼らは、私が当時住んでいたフラットの大家さん(同じ家に住んでいた)に悩まされていた時に
引っ越し先として決めた家のフラットメイトだった。彼の方がその家の持ち主らしく(当時は
借りていたのかもしれないけれど、今は所有者であることが明らかにわかった)、
引っ越してからは夕食も作ってくれたり、本当に家族みたいに接してくれて、
当時病気で悩まされていてすごくホームシックにかかっていた私は、本当に助けてもらっていた。

あそこの家に住んでいた人たちは、今でもみんな友達で、隣の部屋に住んでいたCちゃんは、
私が日本に戻ってすぐに、幼い頃に離れた香港に戻って彼と暮らし始めた。
そこに去年の秋に遊びに行った。彼女とは今でも頻繁に連絡を取り合って、来年の夏に
もし私がまたロンドンに休暇で訪れるようだったら現地集合しよう!ってことになっている。
Cちゃんは、今香港で大学院に通いながら仕事をしているけれど、数年以内にイギリスに戻ろう
かと考えているようで、私がロンドンに戻る頃と同じぐらいのタイミングになりそうなのだ。
Cちゃんは、8歳からずっとイギリスで育っているし、お母さんも弟もイギリスに住んでいるので、
イギリスが苦手って言って離れていった彼女だったけれど、やっぱりイギリスがいいなって
言っている。
私もCちゃんのように育ってはいない国だけれど、同じで、イギリスはもう勘弁って思って
離れたのに、やっぱりイギリスの生活の方が自分には会っていて、完全に日本断ちは
日本人として生まれ育った以上出来ないけれど、生活のベースはイギリスにありたいと思う。

私の回りには、そういう人たちがたくさんいる。
フラットメイトの今度結婚する中国出身のカップルもそうだし、私の彼もそう。

3年半離れていてもイギリスは変わらずに受け入れてくれるところがある。
変わらない街並み、人々の生活スタイルも大きく変わった様子はなかった。
だから、流行とかテクノロジーの変化に焦ったり、プレッシャーを感じる必要もなく安心して
生活ができる。
日本は、流行ファッションにはあまり執着のない私でも、気にしなくてはいけないという
プレッシャーがある。

3年半という時間がいかに長かったかを感じたのは、そのフラットメイトの友人の男性が、
結婚をして2児の父になっていたこと。

最近、私の回りではおめでたい話が続いている。
実はうちの弟もここ1年くらいの間に知り合った彼女と来年の秋に結婚することになった。
私の友人も去年結婚したり、ロンドンにいる友達も結婚して、私自身もまだ2年ちょっと先
だけれど、結婚の準備を始めている。
これからの2年とちょっとの時間もあっという間に過ぎていくと思う。その2年という時間を
漠然と過ごすのではなく、明確な目標がある限り、自分にとって充実した2年にしたいと
思っている。

そう思うようになってから、睡眠時間も確保できない繁忙期に、週末なんとか時間を作って
自分の本来の専門分野の勉強をしたりする余裕が心の中にできた。

今まで、漠然としていた「結婚」とか、「人生のパートナー」という意味が今わかり始めてきた
ように思う。
自分そのものを受け入れてくれて、相手にも多くを求めずにそのままを受け入れられる、
それがこんなに心地いいものだとは今までわからなかった。

回りの年長者の方々が、恋愛と結婚は違うという意味がわかってきた9月だった。
by lalalapis | 2008-11-09 17:53